2006年 09月 13日
ブラック・ダリア(The Black Dahlia, 監督:ブライアン・デ・パルマ) |
原作は、1947年にロサンジェルスで起きた猟奇殺人事件を素材にしたジェームズ・エルロイのベストセラー小説。
エルロイが書いたロサンジェルス舞台の犯罪小説の映画化と言えば、「LAコンフィデンシャル」がすぐ思い浮かぶが、今回のブライアン・デ・パルマ監督作品は比べものにならないひどい映画。
撮影はヴィルモス・ジグモンド、美術はダンテ・フェレッティ、出演者には今もっともホットな若手女優と言われるスカーレット・ヨハンセンに、アカデミー賞を二度受賞したヒラリー・スワンクと、クレジットは一流揃いなのだが、お金をかけた駄作である。
セピア色の美しい映像でスタートし、ものうげな雰囲気から、ポランスキー監督の「チャイナタウン」っぽく、デ・パルマ監督がフィルム・ノワールを再現したかったのかと思いきや、ストーリーはごちゃごちゃとわかりにくく、演技はただ大仰で、どのキャラクターにもリアリティがない。ファム・ファタルのはずのヒラリー・スワンクはポーズだけで、セクシーさに欠けるし、スカーレット・ヨハンセンはフォトジェニックだが、台詞は棒読み、ミステリアスさもない。刑事役のひとり、ジョシュ・ハーネットには主役としてのカリスマがなく、いつもそのクールさが魅力のアーロン・エクハートは彼の役そのものの意味がない。
レズビアン・バーとか、ポルノ映画の撮影シーンとか、昔はスキャンダラスだったかもしれないが今や時代遅れののぞき見趣味が入っているものの、ただいやらしさだけでスリルがまったくない。脚本がひどいが、最低なのは演出。一時はヒッチコックの継承者と言われたデ・パルマだが、いったいどうして、こう成り下がったものか。セットだけがすばらしい、下手な学芸会を見ているようなものである。
エルロイが書いたロサンジェルス舞台の犯罪小説の映画化と言えば、「LAコンフィデンシャル」がすぐ思い浮かぶが、今回のブライアン・デ・パルマ監督作品は比べものにならないひどい映画。
撮影はヴィルモス・ジグモンド、美術はダンテ・フェレッティ、出演者には今もっともホットな若手女優と言われるスカーレット・ヨハンセンに、アカデミー賞を二度受賞したヒラリー・スワンクと、クレジットは一流揃いなのだが、お金をかけた駄作である。
セピア色の美しい映像でスタートし、ものうげな雰囲気から、ポランスキー監督の「チャイナタウン」っぽく、デ・パルマ監督がフィルム・ノワールを再現したかったのかと思いきや、ストーリーはごちゃごちゃとわかりにくく、演技はただ大仰で、どのキャラクターにもリアリティがない。ファム・ファタルのはずのヒラリー・スワンクはポーズだけで、セクシーさに欠けるし、スカーレット・ヨハンセンはフォトジェニックだが、台詞は棒読み、ミステリアスさもない。刑事役のひとり、ジョシュ・ハーネットには主役としてのカリスマがなく、いつもそのクールさが魅力のアーロン・エクハートは彼の役そのものの意味がない。
レズビアン・バーとか、ポルノ映画の撮影シーンとか、昔はスキャンダラスだったかもしれないが今や時代遅れののぞき見趣味が入っているものの、ただいやらしさだけでスリルがまったくない。脚本がひどいが、最低なのは演出。一時はヒッチコックの継承者と言われたデ・パルマだが、いったいどうして、こう成り下がったものか。セットだけがすばらしい、下手な学芸会を見ているようなものである。
by nyfilmetc
| 2006-09-13 23:30
| 映画