2006年 09月 06日
The Devil Wears Prada |
ああ、絶対見逃さないつもりだった、メリル・ストリープ主演のお芝居“Mother Courage and Her Children”! ブレヒト原作、トニー・クシュナー脚色、ジョージ・C・ウルフ演出という話題作。8月の初めから9月3日まで、セントラル・パークで上演されていて、スポンサー以外の一般観客は、午後1時から配布されるチケットを並んで取るしかなかったが、ぎりぎりになるまでなかなか並ぶ機会がなかった。やっと1日に小雨の降る中、キャンセル待ちの列に並んだものの、20人先ぐらいでチケットは配布終了! 2日は雨で中止、3日は関係者で配布チケットが少ないのではと見越して行かなかった(実はそうでもなかったらしい。友人は7時前に並んで取った)。ああ、残念。運良くチケットを取って見た友人たちは、異口同音に絶賛していた。
そこで、ずっと前に見たのに、ブログにアップしていなかったこの映画、The Devil Wears Prada。ファッション界で大変な権力を持つ雑誌「Vogue」で働いた編集者が書いた暴露本にやんわり基づいたコメディである。
名門ノースウェスタン大学のジャーナリズム学科を出たばかりの若い女性(アン・ハサウェイ)が、ニューヨークのファッション雑誌編集部で、泣く子も黙るこわーい編集長(メリル・ストリープ)のアシスタントとして、まるで奴隷のように働いているうちに、最初は抵抗を感じていたファッションとパワーの世界に誘惑される。
表面的には舞台はファッション雑誌編集部だが、2006年のアメリカ社会の構造が風刺的に描かれている。すなわち、圧倒的な権力を持つ立場にある者は、ほとんど私生活を犠牲にして仕事に没頭しつつ、部下を非人間的にこき使い、その組織の中での出世を狙う者は、権力に怯え、へつらう。働いている環境が銀行だろうが、映画だろうが、この編集長のような上司を持った者なら、 爆笑と共に共感できる。おそらく、それが大ヒットしている要因のひとつ。
もうひとつの要因は、メリル・ストリープの魅力である。一見して、人の感情など無視している冷酷な完璧主義者なのだが、権力者の孤独や、家庭との両立を望みながら、それができない悲しさを、瞬間的な表情で見せてくれる。”bitch”(悪女)の典型でありながら、どこか憎めないキャラクターだ。脚本だけでは、そんなに深みのあるキャラクターではないのに、彼女の演技力のおかげで、このキャラクターの、シーンには出てこない面が想像できる。本当に、すごい女優である。
ところで、ファッション雑誌で働いた友人曰く、「ファッション・ジャーナリズムの世界はあのとおりよ。人気メディアに対しては、ファッション企業だけでなく娯楽関係、エレクトロニクス関係など業界を問わず、あらゆる企業がちやほやと接してくる。メディアのパワーたるや、すごいものがある。でも、ちやほやされるのが当たり前という感覚にすぐなるからこわい」
そこで、ずっと前に見たのに、ブログにアップしていなかったこの映画、The Devil Wears Prada。ファッション界で大変な権力を持つ雑誌「Vogue」で働いた編集者が書いた暴露本にやんわり基づいたコメディである。
名門ノースウェスタン大学のジャーナリズム学科を出たばかりの若い女性(アン・ハサウェイ)が、ニューヨークのファッション雑誌編集部で、泣く子も黙るこわーい編集長(メリル・ストリープ)のアシスタントとして、まるで奴隷のように働いているうちに、最初は抵抗を感じていたファッションとパワーの世界に誘惑される。
表面的には舞台はファッション雑誌編集部だが、2006年のアメリカ社会の構造が風刺的に描かれている。すなわち、圧倒的な権力を持つ立場にある者は、ほとんど私生活を犠牲にして仕事に没頭しつつ、部下を非人間的にこき使い、その組織の中での出世を狙う者は、権力に怯え、へつらう。働いている環境が銀行だろうが、映画だろうが、この編集長のような上司を持った者なら、 爆笑と共に共感できる。おそらく、それが大ヒットしている要因のひとつ。
もうひとつの要因は、メリル・ストリープの魅力である。一見して、人の感情など無視している冷酷な完璧主義者なのだが、権力者の孤独や、家庭との両立を望みながら、それができない悲しさを、瞬間的な表情で見せてくれる。”bitch”(悪女)の典型でありながら、どこか憎めないキャラクターだ。脚本だけでは、そんなに深みのあるキャラクターではないのに、彼女の演技力のおかげで、このキャラクターの、シーンには出てこない面が想像できる。本当に、すごい女優である。
ところで、ファッション雑誌で働いた友人曰く、「ファッション・ジャーナリズムの世界はあのとおりよ。人気メディアに対しては、ファッション企業だけでなく娯楽関係、エレクトロニクス関係など業界を問わず、あらゆる企業がちやほやと接してくる。メディアのパワーたるや、すごいものがある。でも、ちやほやされるのが当たり前という感覚にすぐなるからこわい」
by nyfilmetc
| 2006-09-06 21:03
| 映画